飲食店の補助金というと「使える制度を一覧で知りたい」と考えがちですが、実際に採択されやすいのは、飲食店ならではの設備投資に補助金の使いみちを絞り込んだ申請です。この記事では、飲食店経営者が検討しやすい3つの設備投資と、それぞれに対応する補助金を解説します。
飲食店の設備投資は3つの目的に分けて考える
飲食店の設備投資は、大きく分けて次の3つの目的に分類できます。それぞれ対応する補助金が異なります。
| 投資の目的 | 具体例 | 対応する補助金 |
|---|---|---|
| 厨房機器の更新・拡充 | 冷蔵庫・冷凍庫、スチームコンベクションオーブン、自動フライヤー | 小規模事業者持続化補助金 |
| 空調・換気設備の省エネ化 | 業務用エアコン、換気扇・排気ダクト | 省エネ関連の補助金 |
| 予約・注文管理のデジタル化 | POSレジ、予約台帳システム、モバイルオーダー | IT導入補助金 |
厨房機器の更新は小規模事業者持続化補助金の代表的な使いみち
業務用冷蔵庫・冷凍庫、スチームコンベクションオーブン、自動フライヤーなど、調理に直結する厨房機器の更新・拡充は「小規模事業者持続化補助金」の代表的な使いみちです。通常枠では上限50万円、補助率2/3が目安とされています(枠の種類によって上限・補助率は異なります)。
採択されやすいのは、単なる老朽設備の買い替えではなく「新しいメニュー提供や生産性向上につながる投資」として申請するケースです。例えば、テーブル型冷蔵庫やワインセラーを導入して客単価向上につなげた事例や、調理時間を短縮する機器導入で回転率を改善した事例があります。「今ある設備を新しくする」だけでなく「この設備でどんな売上・生産性の変化が見込めるか」を事業計画に盛り込むと、採択の可能性が高まります。
空調・換気設備の省エネ化にも補助金がある
飲食店は調理による熱・煙・臭いの排出量が多く、換気設備・空調設備への負荷が大きい業態です。業務用エアコンや換気扇・排気ダクトを、高効率な省エネ型設備に切り替えることで、経済産業省が管轄する省エネ関連の補助金(省エネ・非化石転換補助金など)の対象になることがあります。ユーティリティ設備区分の高効率空調として申請できるケースがあり、補助率は事業区分によって変わります。
省エネ設備は月々の光熱費削減にも直結するため、補助金を使って初期費用を抑えつつ、ランニングコストも同時に見直せる投資です。ただし対象となる設備の型式・性能基準が細かく定められているため、購入前に補助金の要件を満たす製品かどうかを必ず確認してください。
予約・注文管理のデジタル化はIT導入補助金の対象になる
POSレジ・予約台帳システム・モバイルオーダーといったITツールの導入は、機会損失の防止や配膳・会計業務の効率化に直結する投資です。これらは「IT導入補助金」の対象になります。
ITベンダーが提供する対象ツールを導入する場合、費用の一部(区分によって補助率は1/2程度が目安)が補助されます。予約・注文・会計を一体化したシステムを導入することで、ピーク時のオーダーミスや会計待ちによる回転率の低下を防ぐ効果も期待できます。導入前に、自分の店舗規模に見合ったツールと補助対象区分を、IT導入補助金の公式サイトやツールベンダーに確認してください。
個人事業主が使える補助金・助成金の全体像はこちらの記事でも解説しています。
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まとめ
- 飲食店の設備投資は「厨房機器」「空調・換気」「予約・注文管理」の3つに分けて補助金を検討する
- 厨房機器の更新は小規模事業者持続化補助金の対象になりやすい(通常枠は上限50万円・補助率2/3が目安)
- 「新しいメニュー提供・生産性向上につながる投資」として申請すると採択されやすい
- 業務用エアコン・換気扇の省エネ化は省エネ関連の補助金の対象になることがある
- POSレジ・予約台帳・モバイルオーダーなどのITツールはIT導入補助金の対象になる
補助金は「制度を知っているかどうか」で活用できる金額が大きく変わります。まず自分が検討している設備投資が、どの補助金の対象になりそうかを確認するところから始めてみてください。
