「毎日満席なのに、月末になるとお金がギリギリ」——飲食店を経営している方から、こういう話をよく聞きます。
飲食業は売上が目に見えやすい分、「なぜ手元に残らないのか」がわかりにくい業種でもあります。原因は利益率の構造にあります。この記事では、飲食店の利益率の目安と、改善するための具体的な考え方を解説します。
飲食店の利益率の目安(業態別)
まず、飲食店全体の平均的な利益率を確認しましょう。一般的に飲食店の最終的な利益率(純利益率)は5〜10%と言われています。売上100万円で手元に残るのは5〜10万円という計算です。
業態によって目安は異なります。
| 業態 | 原価率の目安 | 純利益率の目安 |
|---|---|---|
| ラーメン店 | 28〜35% | 8〜15% |
| カフェ | 25〜35% | 5〜10% |
| 居酒屋 | 30〜35% | 5〜10% |
| 定食屋・食堂 | 35〜40% | 3〜8% |
これはあくまで目安です。立地・客単価・営業時間によって大きく変わります。大切なのは「自分のお店の数字が業界平均と比べてどうか」を把握することです。
FL比率とは何か
飲食店の経営で必ず出てくる指標が「FL比率」です。
FLとはFood(食材費)+Labor(人件費)の合計が売上に占める割合のことです。
FL比率の目安は60%以下。売上100万円であれば、食材費と人件費の合計を60万円以内に抑えることが健全経営の基準とされています。
FL比率が60%を超えると、家賃・光熱費・消耗品などの固定費を払った後に利益がほとんど残りません。まず自分のお店のFL比率を計算してみてください。
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物価上昇で飲食店の利益率はどう変わっているか
近年の食材費・光熱費の高騰は、飲食店の利益率を直撃しています。仕入れ価格が上がっても、メニューの値段をすぐに上げることは難しい——そのジレンマを多くの飲食店が抱えています。
たとえば食材費が売上の30%だったお店が、仕入れ価格の上昇で33%になった場合、利益率は3ポイント下がります。売上100万円なら、手元に残るお金が3万円減る計算です。
物価上昇の局面では「値上げをするか」「コストを削るか」「メニュー構成を見直すか」の判断が経営の分かれ目になります。まず自分のお店のコスト構造を正確に把握することが最初のステップです。
利益率が低い飲食店に共通する3つの原因
原因① 原価率が高すぎる
食材の仕入れ価格に対してメニューの価格設定が追いついていないケースです。「このメニューは原価率が何%か」を把握していない場合、知らないうちに赤字メニューを売り続けていることがあります。
人気メニューほど原価率を確認してください。よく出るメニューの原価率が高いと、売れるほど利益が減ります。
原因② 人件費がコントロールできていない
スタッフのシフト管理が甘いと、暇な時間帯にも人件費がかかり続けます。売上に対して人件費が何%かを毎月確認する習慣をつけましょう。人件費の目安は売上の25〜30%です。
原因③ 固定費が重すぎる
家賃・リース料・ローン返済などの固定費は、売上が下がっても変わりません。売上に対して家賃が10%を超えてくると経営が苦しくなりやすいと言われています。開業時の物件選びが後々まで響く理由はここにあります。
利益率を改善するための具体的な考え方
まず原価率の見直しから
全メニューの原価率を一度計算してみてください。原価率が高いメニューは値上げするか、量を調整するか、思い切って廃止するかを検討します。また食材のロス(廃棄)を減らすことも原価率の改善に直結します。
次に人件費のコントロール
時間帯別の売上データをもとに、ピーク時間とアイドルタイムを把握してシフトを最適化します。「なんとなく同じ人数で回している」状態を見直すだけで人件費は改善できます。
値上げは「伝え方」が大事
物価上昇が続く今、値上げをすること自体は多くのお客様に理解されやすい環境になっています。「食材の高騰により価格を見直しました」と正直に伝えることで、むしろ信頼につながるケースも増えています。値上げを後回しにしているなら、一度検討してみてください。
数字を見てもどう動けばいいかわからないときは
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まとめ
- 飲食店の純利益率の目安は5〜10%。業態によって異なる
- FL比率(食材費+人件費)は売上の60%以下が健全経営の基準
- 物価上昇で原価率が上がっている今、コスト構造の把握がより重要になっている
- 利益率が低い原因は①原価率の高さ②人件費のコントロール不足③固定費の重さの3つ
- まず自分のお店の数字を正確に把握することが改善の第一歩
「なんとなく経営できている」から「数字を見て動ける経営」に変わるだけで、お店の安定感は大きく変わります。まず自分の利益率を確認するところから始めてみてください。
