「利益を増やしたいから、もっと売上を伸ばさなきゃ」——多くの個人事業主がまず考えることです。しかし、売上を増やすより先にやるべきことがあります。
それが経費の見直しです。この記事では、売上を伸ばす前にまず取り組みたい経費見直しの考え方と、具体的な進め方を解説します。
売上を増やすコストと経費を減らすコストの違い
売上を増やすには、新規集客・広告・営業活動など、多くの時間と労力がかかります。しかも結果が出るまでに時間がかかり、うまくいかないこともあります。
一方、経費の見直しは今すぐ着手でき、効果もすぐに現れます。使っていないサブスクリプションを解約すれば、その月から確実にコストが減ります。「利益を増やす」という同じ目的に対して、経費見直しは売上アップよりもコストが低く、確実性が高い手段です。
見直すべき固定費の代表例
サブスクリプション・ツールの使い過ぎ
便利そうだからと契約したツール・サービスが、実際にはほとんど使われていないケースは非常に多いです。デザインソフト・クラウドストレージ・業務効率化ツールなど、契約しているサブスクリプションを一度すべてリストアップし、「直近1ヶ月で実際に使ったか」を確認してください。使っていないものは即解約の対象です。
家賃・オフィスコスト
事業規模に対して広すぎる・立地が過剰なオフィス・店舗を借りていないか確認してください。リモートワーク中心であれば、自宅を拠点にするだけで大きな固定費削減になります。
保険・通信費
加入している保険の内容が現在の状況に合っているか、通信費のプランが実際の利用量に見合っているかも定期的に見直す価値があります。契約時のまま何年も放置されているケースが多い項目です。
見直すべき変動費の代表例
仕入れ・外注費
仕入れ先の価格を最後に比較したのはいつでしょうか。開業時のまま同じ仕入れ先を使い続けている場合、他の業者と比較することで単価を下げられる余地があります。外注先についても、依頼内容と料金が見合っているか定期的に確認してください。
経費見直しの進め方
感覚的に「なんとなく多い気がする」で終わらせず、実際に数字で確認することが重要です。
- 直近3ヶ月分の経費明細を洗い出す:会計ソフトを使っていれば、費目別の一覧をすぐに出せます
- 費目ごとに「必要か・不要か」を判断する:迷うものは「一旦解約して困ったら再契約する」という発想で判断すると決めやすいです
- 削減できた金額を月次で記録する:見直しの効果を数字で確認することで、継続する習慣がつきます
注意点:削りすぎると事業成長を止める
経費削減は重要ですが、削りすぎには注意が必要です。広告費・学習投資・業務効率化ツールなど、事業の成長や生産性に直結する経費を安易に削ると、逆に売上の伸びを止めてしまうことがあります。
見直すべきは「使っていない・効果が見えない経費」であり、「投資として使っている経費」とは分けて考えてください。
個人事業主特有の視点:経費を減らすと税金は増える
ここは会社員向けの家計見直しや、法人のコスト削減とは異なる、個人事業主ならではの注意点です。個人事業主の所得税は「売上-経費=所得」に対して課税されるため、経費を減らすと、その分だけ帳簿上の所得(利益)が増え、納める税金も増えます。
これは経費見直しをやめる理由にはなりません。無駄な経費を1万円減らせば、税率が仮に20%だとしても手元には8,000円が残り、確実にプラスです。ただし「経費を減らせば減らすほど得」ではなく、税負担の増加分を差し引いても手元に残る金額が増えるかという視点を持っておくと、見直しの優先順位がつけやすくなります。特に大きな経費を一度に見直す場合は、翌年の納税額がどう変わるかも合わせて確認しておくと安心です。経費になるもの・ならないものの基本的な考え方はこちらの記事でも解説しています。
経費の見直しで迷ったら
「どの経費を削るべきか自分では判断がつかない」「業界平均と比べて自分の経費が多いのか少ないのかわからない」——そんなときはAI番頭まっちゃんに相談してみてください。業種・現在の状況を伝えるだけで、具体的な見直しポイントをメールでお届けします。初回は無料です。
まとめ
- 経費の見直しは売上アップより即効性があり、確実に利益を増やせる手段
- 使っていないサブスクリプション・過剰なオフィスコストがないか確認する
- 仕入れ先・外注費も定期的に比較し、契約時のまま放置しない
- 直近3ヶ月分の明細を洗い出し、費目ごとに必要・不要を判断する
- 削減できた金額を記録して、見直しの効果を可視化する
- 事業の成長に直結する投資的な経費は削らず、必要な削減とは分けて考える
売上を伸ばす努力の前に、まず今使っているお金を正しく見直すこと——これが最も手軽で確実な経営改善の第一歩です。
