「開業届を出したけど、青色申告と白色申告どっちにすればいい?」——開業したばかりの個人事業主から一番よく聞かれる疑問のひとつです。
結論から言うと、ほぼ全員が青色申告を選ぶべきです。その理由と、2つの違いをわかりやすく解説します。
なぜ申告の種類が2つあるのか
個人事業主が毎年行う確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
白色申告は手続きがシンプルで誰でも使えるもの、青色申告は一定の帳簿をつける代わりに税金の優遇が受けられるものです。国が「きちんと記帳している事業者には税制上の恩恵を与える」という仕組みで設けています。
白色申告とは
白色申告は、簡単な収支の記録(収入・経費の合計)があれば申告できます。複式簿記の知識は不要で、手間が少ない点が特徴です。
ただし、大きなデメリットがあります。
- 青色申告特別控除がない:最大65万円の控除を受けられない
- 赤字の繰越ができない:事業で赤字が出ても翌年以降に繰り越せない
- 家族への給与を経費にできない:配偶者や家族に給与を払っても経費計上が原則不可
「手間が少ない」というメリットはありますが、税金面での損失が大きく、今は会計ソフトを使えば青色申告も難しくありません。
青色申告とは
青色申告は、複式簿記で帳簿をつけることを条件に、大きな税制優遇が受けられます。
最大のメリットは「青色申告特別控除」です。
| 条件 | 控除額 |
|---|---|
| 複式簿記+電子申告(e-Tax) | 65万円控除 |
| 複式簿記+紙申告 | 55万円控除 |
| 簡易帳簿 | 10万円控除 |
65万円控除とは、利益から65万円を差し引いた金額に税金がかかるということです。所得税率が20%の方なら、それだけで年間13万円の節税になります。
それ以外のメリットも大きいです。
- 赤字を3年間繰り越せる:開業初年度に赤字が出ても翌年以降の利益と相殺できる
- 家族への給与を経費にできる:青色事業専従者として届け出た家族への給与が全額経費になる
- 30万円未満の設備を一括経費にできる:通常は減価償却が必要な備品も即時償却が可能
青色申告と白色申告の違いまとめ
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | 最大65万円 | なし |
| 赤字の繰越 | 3年間可能 | 不可 |
| 家族への給与 | 全額経費にできる | 原則不可 |
| 帳簿の手間 | 複式簿記が必要 | 簡易でOK |
| 事前申請 | 開業から2ヶ月以内に届出 | 不要 |
結論:個人事業主はほぼ全員、青色申告一択
白色申告のメリットは「帳簿が簡単」という点だけです。しかし現在は会計ソフトを使えば、複式簿記の知識がなくても青色申告に対応した帳簿を自動で作れます。
一方で青色申告を選ぶと、最大65万円の控除・赤字繰越・家族給与の経費化など、複数の大きなメリットがあります。手間の差はほぼなくなった今、青色申告を選ばない理由がありません。
青色申告の申請方法と期限
青色申告をするには、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
申請期限は以下の通りです。
- 新規開業の場合(1月16日以降に開業):開業日から2ヶ月以内
- 新規開業の場合(1月1日〜1月15日に開業):その年の3月15日まで
- すでに事業をしている場合:適用したい年の3月15日まで(例:2026年分から青色にしたい場合は2026年3月15日まで)
なお、開業届の提出期限はその年の確定申告期限まで(翌年3月15日)で、青色申告承認申請書とは別の書類・別の期限です。どちらも税務署への提出が必要です。
申請書は税務署の窓口でもらえるほか、国税庁のサイトからダウンロードできます。記入は難しくなく、事業の種類・住所・氏名などを書いて提出するだけです。
開業後に青色申告承認申請書をまだ出していない方は、開業日から2ヶ月以内に必ず提出してください。この期限を過ぎると、その年は白色申告しか選べなくなります。
青色申告には会計ソフトがほぼ必須
65万円控除を受けるには「複式簿記」での記帳が条件です。複式簿記とは、ひとつの取引を借方・貸方の2つの側面から記録する方法で、慣れないと難しく感じます。
ただし、会計ソフトを使えば複式簿記の知識がなくても大丈夫です。収入と支出を入力するだけで、裏側で自動的に複式簿記の形式に変換してくれます。
個人事業主に使いやすい会計ソフトの比較はこちらの記事で詳しく解説しています。
freee・マネーフォワード・弥生のいずれも青色申告に対応しており、確定申告書類まで自動で作成できます。まだ会計ソフトを使っていない方は、青色申告の申請と合わせて導入を検討してみてください。
申告のことで迷ったらまっちゃんに相談してみよう
「青色申告承認申請書、もう期限を過ぎてしまった」「会計ソフトはどれを選べばいいかわからない」——そんなときはAI番頭まっちゃんに相談してみてください。あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスをメールでお届けします。初回は無料です。
まとめ
- 青色申告と白色申告の最大の違いは「最大65万円の特別控除」があるかどうか
- 青色申告は赤字の3年繰越・家族給与の経費化など他のメリットも大きい
- 会計ソフトを使えば複式簿記の知識がなくても青色申告できる
- 青色申告の申請期限は開業から2ヶ月以内・既存事業者は3月15日まで
- 手間の差はほぼなくなった今、迷わず青色申告を選ぶべき
「どうせ申告するなら、受けられる控除はすべて受ける」——それが賢い個人事業主の経営判断です。まだ青色申告の申請をしていない方は、今すぐ手続きをしてください。
